2009年9月7日月曜日

TOKYO PHOTO 2009 ~写真がこんなに馬鹿高いなんて知らなかったゼ!~

写友の渡部さんから教えられて、『TOKYO PHOTO 2009』に行ってきた。
あまりプロの写真家の写真展に行かない(なぜならつまらないから)私であるが、これは話を聞いて、「行った方がいいかも」と閃いた。入場料1500円というのが気にかかるが、有名・無名のプロの写真家の作品をたくさん見れるのはお得だし、何より、『TOKYO PHOTO 2009』という題が気になった。フリッカーで、東京画というグループをやっている関係上、現在のプロの写真家が、どんな東京写真を撮っているか気になったからだ。

面白かったですよ、確かに。自分的には、1500円の価値は十分ありました。
・・・と、これがただの写真展なら、いろんな写真家の、素晴らしい写真を腹一杯見れて、「あー刺激になったなー」で無事終わるんだけど、実はこの写真展、写真家が開催しているものではない。東京の写真を扱う有名な画廊が、幾つかで協同開催している写真展なのです。だから当然、陳列してある写真はすべて売り物、値札がついている。この値段が・・・馬鹿高い!!!

いつものように、陳列されている写真を眺める私。「お、いいな」と思う写真がある(そんなに多くはなかったが)。値札を見る。「650,000円」。マジで!?また写真を眺める。気に入った写真の前で足を止める。ひとくさり鑑賞したあと、「これは中版以上のカメラを使って、2秒くらいの露光で、固めの印画紙にかなり焼きこんだな」などと想像する。値札を見る。「800,000円」はぁ!?ずっとこの繰り返し。
写真を見て素朴に感動し、値札を見て心臓が凍りつくという(笑
しかもギャラリーのブースごとに、画商らしき人が常駐していて、おそらく商品(写真)に触ったりしないように監視しているのだろうが、これがかなり気になった。画商というものに対する私の偏見からか、何やら彼らの視線が、客の風体を見てその人の財力を値踏みしているように感じられて、落ち着かないのである。もちろんこれは私の偏見ですけどね。ちゃんと写真のことを尋ねたら、皆さん親切に答えてくれましたですよ。
まぁとにかく、写真に対する感動がすっ飛ぶほどに、その値段の高さが印象に残った写真展だった。

家に帰って、私がこの『TOKYO PHOTO 2009』から受けた衝撃が何だったのか、考えた。

私は、前も言ったように、プロの写真家の写真展には滅多に行かない。好きな写真家はたくさんいるが、写真集でじっくり見る方が好きだ。だが、愛すべきアマチュア写真家(私もその一人である)の皆さんの写真展には、フリッカー絡みで頻繁に行く。アマ・写真家の写真展は、往々にしてお酒を飲んだり、雑談するのがメインになりがちだが、私はどちらかと言うと、写真をじっくり見たい方だ。確かに雑談も楽しいけど、そこはやはり「写真展」。「写真を見」て、その人の写真をしっかり目に焼き付けて帰りたいと思う。
彼らアマ・写真家の写真は、当然ながら売り物ではない。売り物であるどころか、ギャラリーのレンタル代、写真のプリント代と、「出」ばかりで実入りがないのが常だ。それでも写真展をやりたいのが、私を含むアマ写真家の悲しき/愛すべき習性なのだが、今回の『TOKYO PHOTO 2009』は、その点で大きく違った。

そこでは、写真は商品であった。それも、椅子からケツが飛び上がるほどの高額な値札が付いていた。写真を売買する画商がいた。そして、おそらくは「客」であるのだろう、写真に熱心に見入る金持ち風の人々がいた。
そこは写真展というより、市場(マーケット)であった。
さながら写真という商品を巡って、大金が飛び交う戦場。残念ながら、アマ写真家の写真展とは熱気が違った。人間、ゼニ・カネが絡むと、こうも興奮するものなのか・・・。
私がこの『TOKYO PHOTO 2009』から感じた拭いがたい不快感/違和感は、どうやらそこら辺からくるらしい。それに比べて、アマチュア写真家諸君の写真展の何と牧歌的なことか・・・。

私が以上のようなことを話すと、同行した友人がこう言った。

「確かに法外な値段だけど、彼らもここまで来るまでに、写真にたくさんのお金を注ぎ込んだのだから」。

確かにそうだ。私の考えがナイーブ過ぎたと悟った。
彼らは、私と違ってプロの写真家である。当然彼らの写真は”商品”であってしかるべきだ。実際陳列されていた写真はどれも、好き嫌いは別に、私の写真なんぞとは一枚に込められているものの量が違った。奇跡的な瞬間を封じ込めた写真、想像もつかないような技術的処理が施された写真、そして、素っ気ない表面の裏側に、何やら難解なコンセプトが張り巡らされた写真・・・。そこには確実に、一枚の写真が商品に化けるだけの、「売れるための努力」が、幾重にも積み重ねられていた。
とはいえ、それが車一台分の金額に匹敵する写真かどうかとなると、正直私には分からない。また一枚の写真に、数十万円をポンと払うお客がどのような人種なのか、私には想像もつかない。事業に成功し、遅ればせな芸術欲に目覚めた老夫婦か。それともお金に不自由しない、芸術カブレの馬鹿息子か、あるいはピカソやゴッホの絵と同じく、投機目的で写真を所有する大企業か?

写真の良し悪しより、その裏側に垣間見える、得たいの知れない世界に圧倒された私であった。
・・・でも次回が楽しみ (^ ^

Pentax SP / Takumar 50mm f1.4 / Kodak PORTRA 800 [恵比寿、東京]

5 コメント:

  1. 行ったんですね!私は終了30分前に知ったので間に合いませんでした。
    少し前にART FAIR 東京という、世界中のギャラリーが集結するイベントを見に行ったので、写真のイベントだとどんな感じなんだろうと興味がわきました・・。

    返信削除
  2. 30分前ですか!自分も最終日の閉館間際に行ったんですけど、1時間くらい延長してましたよ。
    次回は是非行ってみてください!

    返信削除
  3. 自分の奥に瞬間、わきあがり、感じたものを、素直にシャッターをきるだけ。感じた自分自身の今を残す。それをみかえしたとき、その時、感じたその時の自分に戻れる。ただ、それだけ。それは金額という価値にかえられない。自分ワールド。**shou

    返信削除
  4. shouさん、こんばんわ。
    一貫してますね。以前お会いしたとき同じことを言ってましたね。印象的な言葉だったので、覚えています。
    来年の2月に私、写真展をやるので、是非見に来てください!
    see you on Flickr :)

    返信削除
  5. 2月にはぜひ、伺います。古賀さんの写真いいですよね。

    返信削除