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写真家って、なによ。

by on 2012年3月5日月曜日


 私の本業は古本屋だが、Facebookでは写真家を名乗っている。  
 地味な雑誌とはいえ写真の連載を持ってるし、これから写真の仕事も増やしていきたいので、そうしている。写真家を名乗るほどの者なら誰でもそうだが、自分の写真の腕にもある信頼を持っている。

 気がつけば、私の周りにも写真家を名乗る者は多い。その内実は、写真でメシを喰っている、喰ってない、キャリアが長い、短いなど、人それぞれ。そしてそれが悪いことだとは思わない。

 医者や弁護士と違い、写真家を名乗るのに資格は必要ないのだ。作家や芸人と同じで、誰でも思い立てば写真家になれる。だから腕に自信があって、写真で身を立てたい、写真で世に出たい人は、恐れずに写真家を名乗るべきだ。ただ、世間が彼/彼女を写真家と認めなければ、職業としての写真家は成り立たないだけだ。

 つまり、自分で写真家と名乗ることに何の意味もない。
 それはただの始まりでしかない。
 写真家を名乗ったその日から、彼/彼女は全生涯を賭けて自分が写真家であることを世間に認めさせる-その"事業"に成功した者を、私たちは写真家と呼ぶのだから。  

 その意味で、誰でも「写真家」になれるし、誰でも「写真家」にはなれない。資格がないからこそ、簡単でもあり、この上なく難しいともいえる。結局、とどのつまりは、「自分がどんな写真家として世に認められたいか」これに尽きると思う。  

 写真家になる道は人それぞれだ。ただし「人それぞれ」という言葉の持つ重みを知るのは、ごくわずかな写真家だけなのだ。

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